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感謝のお便り 全22ページ




※効果には個人差があります。同じ効果をお約束するものではありません。

 現在、映画・テレビ・ラジオで活躍されている、ある女優さんから、2008年5月1日に届いた感謝の手紙です。
 彼女は、子ども時代にすごくかわいがってくれていたおじいちゃんの臨終に直面した時の、フラッシュバックに苦しんでいました。その時の記憶を夢に見た日の朝は、気分がふさぎこみ起き上がることもできない精神状態になるとのことでした。その後、数日は何にもする気が起きないようなうつ状態と、仕事の予定が入っていて仕方なく会話をしていても、本当は何にも話したくないような落ち込んだ気分と、話をする力も湧かなくなるのを一生懸命に支えている状態が続いて困ると訴えられていました。
 「トラウマというものは、何年経っても、何十年経っても、普段は冷凍保存されているような状態で、あるストレス刺激を受けると即座に解凍され、当時の新鮮さをそのままに再現され無意識に理由が分からないまま苦しめられるものです」と説明したところ、今の私はいったん解凍したものが、そのまま今度はチルド状態で私を苦しめ続けていると話されていました。しかもなぜこのような苦しみが襲いうつ状態になるのか自分ではわからないし、どうしようもないと訴えられていました。

 彼女の祖父が突然亡くなった当時は小学校2年生でした。小学校に入ってから間もなく学校での友達関係が優先されるようになり、学校から帰るとすぐに友達と遊ぶために外に出て行っていました。しかし、小学校に入る前までは、いつも祖父と一緒に過ごしていてとてもかわいがられていたようです。
 彼女が小学校に入学して間もなく、それまで寝たっきりだった祖母が亡くなり、祖父としては、精神的に一人っきりになってしまっていました。祖母が亡くなってからは、特に、彼女が学校から帰ると、「時には出かけないで、おじいちゃんと一緒に過ごそうよって」って淋しそうな顔で言われるのが辛く、それを振り切って外に遊びに行くことが、ある意味罪悪感を感じていたようです。「私のこと放っておいて欲しい」と心の中で訴えながらも、物心着いた頃からずっと一緒でかわいがってくれたおじいちゃんのお願いを聞いてやれない自分をわがままだと思い無意識に責め続けてもいたのです。「でも友達と一緒に外で遊びたかった。おじいちゃんと一緒にテレビの水戸黄門を見たり、お庭の植物に水をやったりするのは退屈だった・・・」と当時を思い起こされていました。
 退行催眠によって彼女自身何よりも驚かれていたのは、学校が終わって、ランドセルをからって家に帰る途中の脚の重さ、気分の重さという当時の気持ち(感情=情動)を思い出されたことです。「また今日もランドセルを置いてすぐに家を出たら、おじいちゃんに悪いな」という気持ちがまだ幼い彼女の気持ちを重くしていたようです。
 子ども時代の出来事を話された後に、「私はこんなひどい女なんです」と自分を責めた発言をされていましたが、それらも含め全部が子ども時代の、幼いがゆえの誤解だったのです。

5月1日の仕事が終わった後に手紙を手にしたので、読んだ後に電話しましたが、留守電状態だったのでメールして置きましたらこの返事が届きました。
元気を取り戻されているようで安心しました。