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感謝のお便り 全22ページ




※効果には個人差があります。同じ効果をお約束するものではありません。







「感謝のお便り」の翌年の年賀状



前略
 お元気でしょうか。おかげさまで僕も元気に過ごしております。
今日は、僕の体験を、僕と同じように苦しまれている方々の希望となればと思いお便りしました。よろしければ「感謝のお便り」のコーナーに載せていただければ嬉しく思います。僕と同じ苦しみを背負っている方のみではなく、様々な心の病で苦しまれている方々に、僕の体験を参考にしていただければと心から願って書きます。
 僕が統合失調症を発症したのは高校生の時でした。学校中の先生や生徒が、僕の心を読みとり、口に出したりまた僕が考えている内容に対して批判したりしているような妄想や幻聴にかられるようになり、やむを得ず自主退学となりました。
 薬を飲み妄想や幻聴は和らいだものの、薬物の副作用で眠いし身体がとてもだるい中で「薬は頭に確実に蓄積されるものだから怖い」と勝手に考えて服薬を怠ったりして過ごしていました。そのせいで振り返し入院となり、結局は前より強い薬を飲まざるをえなくなりました。
 外出しても道行く人々が僕の現状を把握しており、まるで僕がそこに来るのが皆に分かっているような感覚が消えず、罵声を浴びせられたりまたは励まされたりしているような非現実の世界から抜け出せずに苦しみ、周囲から非難されるのが怖くて電車にも乗れない時が度々でした。
 人のあざけり笑いが聞こえると萎縮し前を向いて歩く事も出来ず「有名人じゃないのだから」とたしなめられても納得出来ずにいました。
 精一杯頑張ってはいたのですが、自分の人生に真剣に向き合うのもやめリストカットをする日もありました。自暴自棄な日々が続き、ある日ものすごい恐怖心と共に目が覚め、またもや入院となるような日々でした。
 若い時は薬への抵抗もあったのですが、もう飲まなければ正気でいられなくなり、以前とは比較にならない程の量の薬をその後10年間しっかり飲み続けて暮らしておりました。
 それでもある日また調子を崩して、親も堪らなくなり井手先生との出会いとなりました。思い起こせば、初めは親に無理矢理に連れて行かれ、嫌々ながら受けていたというのが正直なところでした。しかし、先生の退行催眠による幼少期のトラウマ、学生時代の状況、現在の悩み、服薬している量の事すべてを考慮した上でのカウンセリングが進む中で、意識が少しずつ前向きになってきました。そうして、退行催眠では僕がADHDやOCDの傾向がある事がわかり、それによる幼少期のトラウマも含め、中学時代につくられた根強い劣等感が大いに問題があることがわかりました。
 先生は僕に対し「病気や薬の副作用がなければ決して頭は悪くない」と何度もおっしゃってくれました。そして「自分を責めたり悩んだりしていては、人は決して変われない」とも教えて下さいました。また入退院を繰り返していた頃から、大量に投与されていた薬も、「催眠療法で心の葛藤がなくなれば、徐々に薬は減らしていける」という薬への考え方を教えて頂き、心の状態を見つめながら、主治医にお願いして薬を減らしていく努力を始めました。
 昔自分一人で勝手に減らしていた時とは違い先生がいらっしゃるので心強く、不安もなく調子を崩す事もありませんでした。すると、頭も徐々に働き始め、感情が鈍麻して本や映画など全く楽しめなかった精神状態だったのが、今は夢中になるほど脳の機能が回復していったので、改めて薬の影響と心を整理して癒すことの価値をしりました。
 催眠療法を始める前は、一日19錠の服薬(統合失調症関連の薬と睡眠薬など)だったのに対し、段々と一日9錠の服薬となり、現在は、リスペリドン1mgとアキリデン1mgをそれぞれ一日2回の服用となりました。この薬の内容なら将来は飲まなくても済むかもと希望が湧いています。
 まさか僕がここまで回復するとは思いませんでした。そしてあれだけ萎縮して前を向いて歩けなかったのが、それは過去自分を責め続けた劣等感などの自分の心の反映である事も、分析して受け入れやすく教えていただき、納得していくうちに段々と普通に歩けるようになりました。
 なぜ人の目がこんなにも気になるのか、素人の僕が自分なりに考え思い込む事の恐ろしさもつくづく感じ、井手先生の正しい導きがなければここまで回復する事が出来なかったと、改めて思い知らされました。
 高校の時発症してからというもの、恥ずかしい話ですが、この苦しみは親のせいとずっと責め続けていましたが、先生に諭され今は全くわだかまりがなくなりました。それどころか、自分を見捨てることなく、耐えながら支えてくれた親に対して心から感謝すると共に、長い間本当に苦しい思いをさせてしまって悪かったと反省しています。
 先生のカウンセリングが始まって約一年半。長くもあり、これからの人生を考えれば、本当に短い時間だったとも感じています。
 今こんなに膿を出しきった様なすっきりした気持ちになるのなら過去20年間の苦しみなんかどうでもよくなりました。これからはもう人と比べる事なく自分にあった充実した人生を目指して頑張っていきたいと思っています。ここまで導いて下さった井手先生に感謝しております。本当にありがとうございました。どうかこれからも多くの方を救ってあげて下さい。

草々 

平成25年9月24日

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マインド・サイエンス
井手無動 先生