ショー催眠のように、人を催眠に導きサルになるように暗示をかけ、サルの真似をさせたとしましょう。
見事にサルになってそう振る舞った人を、そのまま催眠を解かなかったら、その人はその後の人生をサルのままで生きていくのでしょうか?!
そんなことはありません。当然ながら、催眠をそのまま解かなかったとしても、時間が経過すればその人本来の人格を有したヒトに戻るものです。
これは誰もが疑う余地などないことでしょう・・・。
ヒトとしての自我が形成されている場合、時間が経てばヒトに戻っていきます。
それと同じで、心の病や精神的問題の場合も、自我と同じように心(脳内)に形成された、心の問題を発生している原因が存在します。こうした原因も自我同様に、その人の心を深く支配しています。
催眠暗示を一度受けると別人のごとく変わってしまうと、多くの人に受け止められやすいのですが、そううまくはいかないのが世界中の現実です。
なぜなら、心の病などを作り出している諸原因が人の無意識領域の中に潜んでいて、脳機能に影響を与え続けているという現実があるからです。
そうした原因となるものは、生育環境によるトラウマや生まれ持った性格傾向などによって作られていますが、それらに焦点を当てて適切に処理してやらなければ、心の問題は解消しません。
そうした処理の過程において、催眠の活用は絶大な効果を発揮するのです。