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その他の情報 Ⅰ、Ⅱ、

統合失調症薬「ゼプリオン」で17人死亡例
読売新聞(ヨミドクター) 2014年4月9日(水)12時2分配信

 ヤンセンファーマ社の統合失調症治療薬「ゼプリオン」の使用後に死亡した患者が、昨年11月の販売開始から4か月半で17人に上っていることがわかった。薬との因果関係は不明だが、同社は、医療機関に注意を呼びかけている。

 この薬は4週間に1回、肩や尻の筋肉に注射する。使用した患者は推定約1万700人。市販後の調査で報告のあった17人の死亡例には、心筋梗塞や肺塞栓、低体温、吐しゃ物による窒息などがあった。使用3日後の例もあれば、40日以上経過していた例もあった。

 同社は、薬との因果関係などは調査中としながらも、「薬剤は投与後、4か月間は体内に残る。なるべく家族らが経過観察できる患者に投与し、異常があれば直ちに受診するように十分説明を」などと医師に呼びかけている。他の抗精神病薬との併用についても、安全性が確立していないとして極力避けるよう求めている。厚生労働省も情報収集している。

 同社によると、この薬は2009年以降、世界60か国以上で使用されているが、短期間に多数の死亡例が報告されたことはないという。

<統合失調症治療薬>使用後に21人死亡…販売開始5カ月で
毎日新聞 4月17日(木)19時22分配信

 厚生労働省は17日、統合失調症治療薬「ゼプリオン」の使用後に死亡した患者が昨年11月の販売開始から5カ月で21人に上ると発表した。いずれも薬との因果関係は不明だが、同省は製造販売元のヤンセンファーマ(東京都千代田区)に対し、複数の抗精神病薬を併用する不安定な患者への使用や過剰な投与をしないよう医師向けの添付文書を改訂し、医療機関に注意喚起するよう指示した。

 厚労省によると、この薬は肩などの筋肉に4週間に1回注射し、症状を抑える。今月15日までに推計で約1万900人が使用し、効果が長く持続するのが特徴という。

 製薬会社の市販後の調査で、今月16日までに20~70代の男女21人が使用後に死亡していたことが判明。死因は心筋梗塞(こうそく)や肺炎、多臓器不全のほか、嘔吐(おうと)物による窒息や自殺などもあった。投与開始から死亡までの日数も数日から100日以上のケースまであった。

 この薬は主に症状の安定した患者が対象だが、症状が悪化しているのに投与を始めたり、複数の抗精神病薬と併用していたりする事例もあった。投与量が過剰とみられるケースもあった。

 この薬は2012年末時点で60以上の国と地域で使用されているが、今回ほど短期間に多数の死亡例が報告されたことはないという。【桐野耕一】