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心の病や症状など

トラウマ・・・ひとつの例

いつの日か求めることを諦めてしまい、寂しい思いを自覚することもなくなっている幼女が、成長し、一人暮らしで風邪で床に伏せている時にもひとり我慢して過ごしてしまう。
彼が看病に来てくれても、彼の気持ちにお返しが出来ないと気を使い苦しむ・・・。
寂しいのに、甘えたいのに甘えられない・・・。
こんなあまりにも悲しい生き方の中で、ある時、心の病が生じてきます。
トラウマと呼ばれる、幼児期の環境によって形成された心の傷、それは、
その人の人生を方向付けてしまうことさえあります。
なぜ、素直に甘えられないのでしょう・・・。
なぜ彼の好意を受け入れられないのでしょう・・・。
自分が相手に尽くすことはできても、人に尽くされることを穏やかな気持ちで受け入れられない悲しくも寂しい人生なのです。
そのような生き方をさせてしまうのが、トラウマなのです。
彼女の心に刻まれた無意識に働きかけてくる条件反射なのです。
幼児期に母親との関係において十分にかまってもらえなかった場合は、幼児期の成長過程で、安心感が育たないまま、常に周囲に母親がいてくれているのかをチェックするようになります。
その反対に、常に母親が手を差し伸べてくれている環境で育っていくと、何の不安も無く、自由に自分の興味や関心を抱くことに積極的に関心を示し、冒険しようとします。心の中には常に守られているという安心感が備わっているのです。