抜毛症が治り、母親との確執も取れた感謝の便り。
先生こんにちは、抜毛症でお世話になった、●● ●●です。
お世話になってから2年程経ちましたが、あれから症状が出ることもなく大学にも慣れて楽しく通っています。
中学1年の秋に初めて心療内科に行った時、病院の先生から「あなたの母親の育て方が悪いので、母親に対する不満からそうした行為に走る」と聞かされてから、先生に会うまでずっと母親を恨んで生きてきました。確かに、母親と何かあるときに髪の毛を抜くことが止められなくなっている気がして、当時は「そうなんや、やっぱり全部あの人が悪いんや」という気持ちになりました。全部母親のせいにするのは楽だったのかもしれません。母親を恨むことは嫌だという気持ちもありましたが、学校でも恥ずかしくて、孤立して辛い思いをしていたので、私がこんな苦痛を味わうのはあの人の性格や育て方が悪いからや、私は何も悪くない、髪を抜いてしまうのは悪くない、と母親を恨んでいれば他の色々な問題と向き合わずに済んだのかもしれません。
井手先生の催眠療法で今までのことを振り返ると、私がイライラして髪を抜いていたときは、母親と何かあったり嫌な思いをさせられた時だけではなくて、他にもストレスのあるときだったことに気付かされました。悪いのは全部あの人で他には何も問題がないと思っていたので、正直ショックでした。中学高校の中間・期末試験のときも、高校受験や大学受験の前はひどかったし、先生に指摘されたように、問題が解けずにイラつき始めると無意識に髪の毛に手が行っていました。なぜ私は止めたいのに自分の髪の毛を抜いてしまっていたのか、本当の理由とその時の感情が催眠中に理解できたときは、不思議な感覚でした。母親には嫌な思いを散々させられてきているのは事実ですが、あの人を恨むことも自分の中で大きなストレスにもなっていたのだと気付いたときは、なぜかホッとした感覚だったのを覚えています。もうあの人を恨まんでもいいんや、と思って安心したことは自分でも驚きでした。
催眠療法を受けて、自分が知らなかった自分自身の生まれ持った性格も色々と教えていただいたのですが、一番良かったのは、自分が強迫性の傾向の気質があることを理解できたことでしょうか。イラつきやすい衝動性の気質にも気付かされました。過剰に神経質というのもあります。母親のことはもちろん基本的なストレスではあるけれど、自分自身の気質が、ストレスを受けた時に髪を抜かずにおれんという原因になっていたことを本当の意味で理解できたことはかなり大きいことだと思います。
自分自身の性格的な特徴を客観的に理解させていただき、それを受け入れてコントロールするスキルを条件付けしていただき、本当にありがとうございました。今もしっかり実践しています。自覚するだけでは付き合い方も分からんけれど、本当に生きやすくなりました。原因が分かって、客観的にコントロールするだけで、今はイライラしてもあの嫌な特有な感じとは少し違っていると思います。
私はあの人の子供だから、あの人に似ているんだと思います。母親も私と同じで、強迫観念で子育てしていて私を心配していたんだと思います。それが私の気持ちを無視することになって、私を縛っていたことになっていたんだと今は分かります。そら子どもは嫌やわ、反抗するわ、とは今も思いますが、憎むとか恨むとかではなく、客観的に頭で分析できている感じです。
不満を感じて反抗して育ってきて、病院に行くようになってからはその不満は母親本人に強く訴えるようになりましたが、それでもどうにもならないモヤモヤした感情があり、それでますますイライラして髪を抜くことも止められなかったんだと思います。
先生には、ずっと自分の中だけで押さえてきたいろんな話を聞いてもらって、本当に感謝しています。母親にぶつけていた以外の気持ちも、学校でした辛い思いの話も誰にもできませんでした。過去の精神的に辛かったことは、自分の中に封印してはいけないと先生に教えてもらって吐き出すように話し始めたときは、つっかえが取れたようにいろんな不満の感情が流れ出たのには自分でも驚きました。母親への不満は本人にぶつけていたと思っていたので、もっと他にもこんなにあったんだ、という驚きと、押さえている方が悪いんや、言っていいんや、という許してもらえたような感じで、本当にすごい感情になったのはずっと忘れないと思います。どんな内容の話でも真剣に思いやりを持って聞いてくださったので、あそこまで解放して良い結果になったんだと思っています。私を批判することなく、私に適切な認知修正をしていただいたことに感謝しています。
先生とはあれからスカイプでお話することも無いままになっていましたが、感謝の気持ちをお伝えしていなかったと思いお手紙を書きました。人生を取り戻せたと思っています。先生本当にありがとうございました。