01

感謝のお便り 全22ページ




※効果には個人差があります。同じ効果をお約束するものではありません。






拝 啓
 めっきり寒くなってしまいましたが、いかがお過ごしでしょうか。
先生のホームページを読み返していて、感謝の便りのページに加えて頂けたらと思いお手紙を書きました。
現在、前向きに頑張って生きている私がいることを、心から感謝して過ごしています。
 先生の著書「催眠療法」やホームページを見て、ここなら治るかもとすがる思いで電話した頃は、私の症状は治らないと思い込み、もう二度と立ち直れないところまで精神的に追い詰められていました。
過去の事が異常なほど気になり、約十年苦しみ続け、対人恐怖にまで陥って生きる喜びさえ失っていました。
 思い起こすと、最初の面接で、私の症状について話をし、治療の説明などをして頂いた時に「この先生なら大丈夫だ、私の症状はついに治る」とホッとしました。なぜかと言いますと、治療を受けるか迷っていた頃、「催眠療法を受けたけど高額な料金を払ったうえ治らなかった」という話を聞いていたこともあり一抹の不安があったのです。しかし、先生との最初の面接でそんな不安や憶測は吹っ飛び、喜びが湧き起こってきました。
 治療を始め、退行催眠で幼少期からの記憶を思い出して行くと、すっかり忘れていた記憶や苦しい感情が蘇って来ました。家が貧しくみんなより古い服を着ていることなどをからかわれ萎縮していた事。両親のケンカに怯え憂鬱な毎日を過ごしていた事など…。
 しかしそれらと私の症状とどう関係があるのか、始めは素直に受け入れられないでいました。しかしながら、「幼少期の辛い出来事は確実に脳の成長にダメージを与える」という説明と先生の本「心の病は治せる」を読んで納得出来ました。
 以前は、催眠療法というのは魔術的なものなのかなと勝手に思い込んでいましたが、先生の本を読んでみて、催眠がどのように心の病に働きかけるか詳細な説明があり科学的なものなのだと理解できました。けれどもこれまでは、原因が子供時代のトラウマにあるなんて考えた事もなかったし、更に遺伝性の強迫性障害も絡んでいた事もわかりある意味助かりました。私は「生まれつき気が小さく心配症だ」くらいにしか思ってなかったのです。だから、自分に鞭打ち、もう少し強くならなければと思えば思うほど苦しくなる一方でした。自分の事は自分が一番分かっているつもりでも、専門家でなければ分からない所に原因は潜んでいて、無意識の中のトラウマは何かのキッカケで出てくると言う事に驚きました。それらが真の原因であり私が原因と思い込み怯えていたことはどうでもいいことだったのだと納得することが出来ました。
 今は強迫性障害を乗り越える対処の方法を守る事で、治療前よりもかなり楽な状態を保つ事が出来ています。更にこれまでは他人を羨んで自分は所詮この程度だと卑下していましたが、「もっと上を目指して」というアドバイスを頂き今まで考えた事もなかった目標を意欲的に考えられるようになって来ました。
 これからは、習得した自己催眠を活用し、自ら治療や努力をすることで益々良くなっていく自分を楽しみにしています。そして私と同じように心の病や精神的苦痛で苦しむ方々が先生と出会って治療を受け、新たに生まれ変わっていかれる事を心から願っています。

敬 具 

平成20年11月6日

 ●● ●● 

マインド・サイエンス 井手 無動 様

このお手紙をいただき、お礼を兼ねて早速連絡をとってみました。彼が今回手紙をくれた理由の一つに、「多くの方々に強迫性障害という心の病のことを詳しく知っていただき、自分と同じように、間違った努力をして苦しみながら過ごすことで、諦めてしまわれることがないようにと願っています。 気付かないまま苦しめられる強迫観念のことも説明に書いてください」との要望でした。

そのこともあって、別の彼の手記をあげて、また違った角度から説明いたします。強迫性障害を治す ≫≫≫

彼(35歳男性)の場合は、どうしてここまであることにこだわって不安になり苦しんでいるのかという本当の理由を分からず、ただ自分を責め、後悔しながらも現実から逃げ出せない葛藤にあがいて過ごしていました。あることが頭から離れて楽になればどんなに素晴らしいだろうと思いながらも叶わず、自分を苦しめている過去の出来事が頭から離れずに、自信を失い、対人面にも支障をきたし、苦悩して毎日を過ごし、うつ状態に至っていました。
その本当の理由とは、強迫性障害と呼ばれる、心の病なのです。彼の場合、心の病において知識はあったはずなのに、また以前別の所で催眠療法を受けていたにもかかわらず、背後で影響していた強迫観念というものに対する認識がありませんでした。ただただ、意識に上っている表面的な事象にのみ捉われてもがいていたと言えるのです。
一般的に、
この強迫性障害という症状は、余程ひどい症状が出てない限り、苦しんでいる症状の背景で作用している場合が多く、本人は気付いていないケースがほとんどです。症状がひどくなれば別ですが、軽い内は、気になってる表面的な心的対象にのみ意識が向かっていて、その解消を強く望みながら解消できないことを悩み苦しんでしまいます。
したがって、今悩んで苦しんでいる問題は、幼児期からのトラウマの扉をこじ開けるきっかけとなった原因ではあっても、現在の苦悩を作り出している真の原因ではないということを理解させる必要があるのです。そうした理解が進む中で、自分が原因だと思い込んできた事象(表面的な心理的対象)にこだわり続けることから解放してやらなければならないのです。解放させるためには、遺伝的傾向がある強迫観念という概念の理解が必要になります。