不登校を乗り越えて、 感謝の年賀状。
大変 御無沙汰いたしております。
先生 お元気でいらっしゃいますか。
息子は、一人暮らししながら、大学へ通って2年が
経ちました。一つ一つ問題を解決しながら、今のところ
学業、サークル活動、アルバイトに精を出し、人並みの
充実した学生生活を送っています。これも、先生の
ご指導のお陰と有難く思っております。
どうぞ寒さ厳しき折、お身体ご自愛下さいませ。
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約4年が経ち、こうした年賀状をいただき心から嬉しく感じました。
思い返せば、12月の年末が近づいた頃に、高校2年になる息子さんのことで相談のメールを父親から受け取りました。
夜中に急に動悸がし出して以来、段々と症状が悪化して、学校での授業中も突如過呼吸の発作が起きそうになり保健室へ駆け込むような日々を過ごしているうちに、過呼吸の発作が起きるという予期不安で学校に行けなくなったとのことでした。
ことの発端は、
高校2年の8月30日の夜中の12時過ぎてから勉強に取りかかろうとする前に栄養ドリンクを飲んだことから始まります。
すると動悸がし出して、気が遠くなり、心臓がおかしいと訴えだしたとのことでした。
それに驚いた親は、1時間ぐらいでどうにか落ち着かせて、その日は寝かせています。
その後、
母親が仕事でいなかった夜7時半に、8月30日の症状が再発して、母親の職場に電話をして助けを求めたこともあったようです。
その日は直ぐに母親が家に帰り救急車を呼んだとのことでした。
初めて息子さんとの面談の時、ご両親も心配して一緒にお越しになっていました。
本人は心臓が悪いと思っていて、心臓のあたりの胸を触り続けていました。
また、「時々チクっとする」とも訴えていました。
しかし母親によると、2カ所の病院で心臓の様々な精密検査を行なっても異常は見つからなかったとのことでした…。
初めの頃は好きなサッカーの部活は続けていたが、指導が厳しい監督から怒られたとき症状が出て以来休んでいるとのこと。
また、11月の初めにインフルエンザにかかってから、特に身体症状が強く起こってきたようです。
それゆえに期末テストも、満足に受けられなかったとのことでした。
全ての心の症状には、原因があります。
そうした因果関係を明確にすることで、問題を解決していきます。
彼の場合も、翌年の3学期からは普通に通学し、発作を怯えながらも授業が受けられるようになり、その後の細かな調整で、全く問題なく通学出来るように回復しました。
大学に入学しても元気に「充実した学生生活を送っています」との年賀状の内容に心から嬉しくなりました。
彼の夢は、教員になることです。生徒の気持ちを理解でき好かれる先生になって欲しいと心から願っています。
幼い頃からの様々なトラウマを催眠療法で癒しながら、無意識の中に潜む心の葛藤を理解させながら取り除いていくことで、
心臓の異常という、身体症状として受け止めていた不安が、実は自覚していなかった精神的な問題だったということを理性的に理解できたとき、予期不安が起きなくなっていきます。
しかしながら、脳内に作られた条件回路によって、苦痛の心情と無意識にリンクしたとき、症状が起き始める事もあります。
そうした予期不安が生じた時の対策を ”催眠暗示”によって条件付けすることで、予期不安が起きないように変えていけます。
それでは彼が何故パニック発作のような予期不安に苦しみながら、不登校になってしまったのかを考察してみましょう…。