拝 啓 一雨ごとに涼しくなって参りましたが、お元気でいらっしゃいますか。
先生は私の荒れ狂う心の風波を見事に静めてくださいました。本当に感謝しています。おかげ様で本来の自分を取り戻し、多くのことに気づき、これからの人生という航海を充実させて自分らしく進んでいきたいと思うようになりました。
先生へのお礼と感謝の気持ちと共に、私たち家族のような思いをする方がいなくなって欲しいという願いを込めて、お手紙を書かせていただきました。
振り返れば、私は、母親が長年うつ病を患い自ら命を絶ってしまったことを、自分の中で何年も受け入れられずに苦しんできました。「母を助けられなかった、母の本当の気持ちに寄り添えなかった。最愛の人を亡くしてしまった・・・」という自責の念や虚しさばかりが私の心を占めていき、生きる希望を失っていました。
そのような中、父親にお付き合いしている女性がいると知り、私の中で母への哀れみと父への複雑な感情が生まれ、さらなる心の葛藤が始まりました。「こんな精神状態が続いたら私は母と同じ運命になる・・・どうにかしなければ」という思いで、先生へお電話いたしました。大変失礼ながら、当初私は催眠療法の知識はなく、ただ「薬だけに頼らない方法で心を治したい」と強く願っていました。
それは、長年の母の心療内科での投薬中心の治療で、「心は薬だけでは治らない」と経験してきたからです。
先生の治療を受ける度に、作っていただいた催眠暗示CDを繰り返し聞く度に、自分自身や父や母のことを今までとは違う客観的な視点で理解し受け入れられるようになり、精神的苦痛はなくなりました。「なぜ楽になったのだろう」と思い先生のサイトや著書を読ませていただく中で、様々なことを知りました。
薬物療法だけでは脳機能の異常が起きている心の病を治すことは出来ないこと ー 脳機能の異常を起こすストレスの原因は、現在の環境や出来事だけではなく幼少期のトラウマや気質にあること ー トラウマという無意識の世界を知ることで、自分自身の心の深層を理解できるようになり人は変われること ー 無意識(脳機能)の領域に働きかけることができる催眠療法によって心の病は治せること ― などです。
先生は、心の病を改善する道はあること、乗り越える方法があること、諦めることはないということ、催眠療法は心を治すための優れた療法であることを、科学的に理論的に分かりやすく示してくださいました。
今は母のうつ病がなぜ治らなかったのか、私の精神的苦痛がなぜ治ったのかを理解し納得することができます。そして改めて、自分や家族を救うためには、先生がおっしゃられるように、知識を持ち正しい判断をすることが大切だと痛感しました。「先生との出会いがもっと早ければ、母の命を救うことができただろう」と何度思ったことでしょう・・・。しかし、先生との出会いは、天国の母が私を助けようとして与えてくれたものだと思い、母に感謝しています。
先生の脳科学に裏付けられた催眠療法の理論と知識が、さらに世の中に広まり、心の病や精神的苦痛で苦しんでいる方や、その方を懸命に支えているご家族の方々が救われ、希望の持てる人生を送られることを心より願っています。
先生は毎日いろいろな症状の方と真摯に向き合われて、お忙しくお過ごしのことと思います。どうぞ、お体を大切になさってください。
これからも先生のますますのご活躍を心よりお祈りいたします。
敬 具
平成二十五年九月二日
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井手無動様